10.青のストライプとお姫様なんてロクな事がない

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◇ 余が余でいられる時は限りなく短い。 余の後ろに立つ男に、これから全てを奪われてしまうだろう。 守るべき民も、守るべき世界も、その全てを。 頭が霞がかった様に、何も考えられなくなる。 この鏡に映るのは、本当に余であるのか…それとも、それとも─── 「皇帝…時間ですよ。 我ら帝国の全てをかけ、あの忌々しい聖女の国を───民を、全てを奪うのです。」 あざ笑う様な、表情だ。 聞いてはならぬ…分かっておっても、最早余に残された時間は─── 「……そうだ、奪う。 余はこの世の全てを、奪う。」 「それでいい。」 そうだ、奪わねばならん。 今すぐアレを───魔術書を奪い、我が帝国は全ての支配者に。
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