1.突然の出会いと逃避行なんてロクな事がない

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1.突然の出会いと逃避行なんてロクな事がない

* 東の大国、ディストール帝国領の西…シュトラト公国との国境付近の森。 その森を黒いローブの人影が疾走していた。 足には、不思議な白い光が浮かび、その人影の走る速度は尋常ではないものだ。 「確実に捕らえろ! 我が帝国の魔術情報を他国に漏洩させる訳にはいかんッ!」 「いたぞ、こっちだ!」 「逃がしはせん! ───風よ、我が道を阻む全てを薙ぎ払え!」 帝国兵の手から放たれる刃の様な鋭さをもった風の嵐は、黒いローブの人影に迫るとその鋭さを以って辺り一帯を抉(えぐ)り、切り刻んでいく。 そしてそれは、その黒いローブの人影に対しても同様に。
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