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夕暮れ時、長く続いたボランティア活動は町内会の人たちにより終了した。
それからいくらか時間が経ち、そこらで世間話をしているオッサンたちがいなくなるころ。
「うわぁあぁぁ!!待ってくれぇ!ロデオォォォ!!!!」
「なんか…もう…お前末期だわ」
目を覚ますと隣に剛が座っていた。
どうやら河川敷のベンチで寝かされていたようだ。
あ、俺、剛に気絶させられたんだっけ?
「さっきのことなんだが、さすがにやり過ぎた。わりぃな。」
「いやたぶん熱中症。喉渇いたし」
「前言撤回だ。ここで死ね」
「うおっ」
喋ると同時に右ストレートが飛んできた。当たるところだった…。
「おまっ、危ないジャマイカ」
「二発目いくぞ、次は当てる」
「……すみませんでした」
困ったら謝れってね!ここテストに出るよ!
「まぁ、冗談はこのくらいにしといて、剛」
「ん?なんだ?」
剛のやつ、いきなり真顔になりやがった。キモォイ。
「前々からお前に言っておきたかったことがある」
前置きが…、なんか剛ルートフラグ回収しちまったかも。
「お前というのが癪にさわるが、あくまでおれの勘だがな…」
そう前置きをして剛はゆっくりと口を開いた。
「っ!危ない!!」
俺は瞬時に剛を突き倒し、ベンチから離れさせた。
その瞬間爆発音が響き、俺と剛が座っていたベンチは跡形も無くなっていた。
「なんだよ…これ」
剛は座っていた場所を見ながら呟いた。
「おい剛!二発目を撃ってくるかもしれない!!取り敢えず逃げるぞ!」
これはさすがにやばい。
「わ、分かった!」
俺たちは大慌てで河川敷を去ったのだった。
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