物語の終わり

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「でもこの前の地震はヤバかった、俺の家の物もけっこう壊れたし」 剛が言うように、2ヶ月前に起きた大規模な地震はたくさんの被害を出し、一万人の人が死んだ。 国は大急ぎで調査しているがいまだに原因は不明だった。 俺が今住んでいる県は震源地付近だったため、木造住宅はほぼ完全崩壊し、一部の地域には地割れが発生した。 「おーい!君たち!」 「ん?」 渡ろうとしている橋の下から自分たちを呼ぶ声がした。 下を覗きこむとタオルを頭に巻いたおっさんがこっちを向いて手招きをしている。 「君たちボランティアに来てくれたのかい?とりあえずこっちに降りてきてくれ!」 「チガイマース!!」 殴ったよ、グーで。 何も言わずにね。 「てめぇ…、冗談なのに」 剛が殴られた箇所を手で撫でながら呟いていた。 俺は剛を無視して下のおっさんに呼びかけた。 「僕たち、ボランティアしに来ましたー!今行きまーす」
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