物語の終わり

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「よかった、楽くんがいると心強いよ」 「そうか」 俺はそっけなく答える。 べ、別にときめいてなんていないんだからねっ! 「声に出てるし…、キモい」 テルマが汚物を見るような目で俺を見ていた。 思ったことが声に出る病気か…、ヤバイな。 「お前は精神科にあたるべきだ」               剛が真顔で言った。 「ん?剛、お前今までどこにいたんだ?」 「おっさんの瓦礫運んでやったんだよ、そしたらジュースおごってくれた」 剛はペットボトルをこっちに投げてきた。 「ん、サンクス」 俺はうまくペットボトルをキャッチ…できなかった。 「お前本当に運動できないよな…」 「そのぶん頭がキレるから」 どやっ。 「それにしても剛くんって意外と優しいね!」 三神が笑いながら剛に言った。 『ぷぷっ』 思わず俺とテルマは笑ってしまった。 笑ってしまったのにはわけがあった。
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