好きな娘が女体化した僕だった件について。

出会い

(男子はともかく、女子の方がメロメロになるなんて……予想外だ)

　世の中、思った通りにならないんだなとこの時初めて思い知らされた。

「では、早速だが簡単な自己紹介でもしてくれるか」

　担任が転校生の華奢な肩にごつごつとした手をポンっとのせる。転校生はこくりと頷き、口を開いた。

「はじめまして、『空井奏多(かなた)』と申しますっ。前は西小原という田舎に住んでいましたので、皆さんのような都会暮らしの人たちと話が合わないかもしれませんがよろしくお願いしますっ」

　と、短めに自分の自己紹介を済ませ、頭を下げた。