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『これから英語の中間テストを始める
各自、落ち着いてやるように』
英語の監視は斎藤先生かぁ…
まぁ…
誰が監視でもテスト内容は変わらないし…
早速配られたテストに目を通す
……………
何これ…
この捻り捲った
意地悪な問題
確かにテスト範囲内ではあるけど…
先生の言う
“覚悟”の意味を身に染みて感じた
でも…っ
絶対解いてやるんだから!!
頭をフル回転して
全神経を集中させる
順調に進めて
あと一問
……………
《次の英文を訳しなさい》
“fast recall
In those daysfor to meet you
My heart is yours forever”
あれ…?これ…
範囲内…じゃない…?
でも…
訳せる…かな
とりあえず訳せばいいんだよね…
〔早く思い出して〕
〔あの頃の君に会いたい〕
……………
…これって…
誰かに向かって言ってるような…
ちょっと胸の奥がチクンってする
…最後の文…は…
〔僕の心は永遠に
…君のもの…〕
この言葉……
な…に…?
やだ…っ
身体が震える…っ…
突然寒気に襲われて
身体を抱き締めた瞬間
キーンコーンカーンコーン…
チャイムの音
『…時間だ
ペンを置くように』
斎藤先生の声で我に返った
今のは…
何だった…の…?
テストを回収しても
暫く動かない私を見て
『…桜木…?
具合悪いのか…?』
斎藤先生が近寄ってきた
『…なんでも…ないです
大丈夫…です…』
説明したくても
なんて言ったらいいかわからないから…
結局言葉を濁してごまかした
『麻紀子ちゃん?大丈夫…?』
千ちゃんが心配そうに顔を覗き込んできて
『…うん…大丈夫
ねぇ千ちゃん…
あの最後の問い…
テスト範囲じゃないよね…?』
千ちゃんは
ああ…あれね…と笑って
『あれは沖田先生のサービス問題だよ
毎回テストの最後に先生が出す問題なんだけどね
とりあえず何でも書けば二点貰えるの
わざと範囲外の問題で点数くれるってゆう
沖田先生らしいでしょ?
でも
麻紀子ちゃんなら解けたかな?
私は最初しかわからなかったけど』
サービス問題…か…
これが私にとって
全てのきっかけになるような…
そんな気がする
それが何なのかは
わからないけど…
身体が…きっと
教えてくれる
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