第一章〔異世界〕

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そこはよくある風景。 川があり、土手があり、電車が通る鉄橋がある河原。 その土手に寝転がる一人の少年がいた。 学ランを第二ボタンまで開けている。 「面白いことねぇかなぁ」 俺は空を見ながら呟いた。 え、名前?言いたくないんだけど。 十六夜 勇者(いざよい ゆうしゃ)。 それが俺の名前。 あ、今(なんだそのDQNネームは)とか笑ったろ? だから言いたくなかったんだ。 俺は体を起こし座った状態になる。 「……」 俺は少々?周りとは違う。 身体的な意味でだ。 自分でもよく分からないが、力が強い。 本気で殴ればコンクリート製の壁だって簡単に壊せる。 異端なのだ、俗に言う。 だから誰も近付かない。 まあそれを悲しいとも不便ともおもったことはないがな。
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