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その男は私の隣に居た。
ちょっと高めの身長。
栗色のサラサラな髪。
ファー付きの黒のロングコート。
え?ホスト?
そう思いながら見てたら
『うわぁーーーっ!!!』
男が落胆と怒りの声を上げた。
《1着3番、2着4番…》
レースの着順を知らせるアナウンスが流れた。
私は再び自分の舟券を見る。
3が1着かぁ…。
外れた。
そう思っていると
『あ゙ぁ゙!!やっちゃバカ!』
また聞き慣れない言葉が聞こえてきた。
『……フフッ』
思わず笑ってしまった私に気付いたのか、男と目があった。
『何な?』
……機嫌はかなり悪いようだ…。
……マズイ…。
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