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風が柔らかな熱を帯び
真冬の冷気を緩めたら
耐え忍んだ大地より
力を蓄えた命が芽吹く
色付く緑の園に在り
陽と朝の露を鏤めて
遥かな空へと微笑みながら
瑞々しくも開く 双葉の腕(カイナ)
新たな命を受け入れて
粛々と目覚めし春の園よ
葉脈の刻む遺伝子を継ぎ
野は幾億もの年月を巡る
雛鳥が生を主張し囀る
大樹に寄り添う強き花
華麗に咲く日を夢に見て
若葉色に光る意思は歌う
緑の原に響け 恵風Hymne
過ぎし時の罪も赦して
始まりを告げる 命のHymne
蒼く芽吹いた子等の園で――
春の園を満たす蜜の香に
小さな命の運び手が集う
羽音を追う野兎の見た
新緑に映える麗しの花
【Hymne―イムヌ】仏語で『賛歌』。
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