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優しき白に護られて
眠り続けた命が目覚める
生まれ来た大地に膝を突き
溢れる好奇心に輝く幼い瞳
そよ吹く風を感じたならば
小さな手足の赴く儘に進めば良い
何も背負わぬ純粋な心だけが
何処迄も自由な道を描けるのだから
待ち望みし目覚めの時に
歓びの間隙を射貫く哀しみ
情を覚えた胸が震えるのは
眩い微笑みがこんなにも愛おしいから
此の腕を忘れる日が来ようとも
私はお前を慈しみ続けるだろう
眠れ 眠れよ 今少しだけ
陽の射す緑野が誘おうとも
雨降る音色が妨げようとも
眠れ 眠れよ もう少しだけ
月と星とが荘厳に耀く今宵も
密やかに歌い 護り続けよう
去る時を憐れむ流星を砕き
幾千もの光を女神は授ける
麗しき陽射しの姿を借りて
君を照らす 母なる慈愛
生まれ来た宇宙に抱かれ
眠れ 愛されし幼子よ
その足で旅立つ時は もう直ぐ――
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