仮説 寓話論

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相反するものを羽に映し 無邪気な妖精が飛び立つ お菓子の家も 青い鳥も 無垢な心が引き寄せるもの 悪い狼は知恵で撃退 火の番も怠らないで 正直者の幸福を妬めば 忽ち死神の鎌の餌食よ 宮廷の気高き薔薇は 鋭利で狡猾な棘塗れ 苦難を乗り越えた乙女にこそ 最上のfinaleは待っている 童心の独裁者へと捧げる 林檎のお味は如何かしら? 不遇なる英雄が虐げられる程に 持たざる凡才は道を閉ざされる 時計兎は秒針に縛られた現実で 追う少女はそれを掴めぬ夢追い人 森の魔女も 泉の女神も 彷徨える精神を試しているのよ 夜の気配を膚に感じたら その名を口にしてはいけないわ 耳を澄ませた悪鬼達が 未成熟な心を狙ってる 創り事 全ては創られたもの そう告げる人々の魂は 何に因って 創られたのかしら? 意識の深奥に戯れる 神聖なる(アナタダケノ)寓話論を繙いたなら 違った眸に 出逢えるかもね 眠りに就くまで 語りましょう 虹色の幻想へと巧妙に仕組まれた 先人達の語る 偉大な夢と警告を
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