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‘あの子は誰だったのだろう‘
あれは俺が5歳の頃だった。
あの頃の俺は、幼馴染の奏(カナデ)が一番仲良かった。
ある日奏と喧嘩をした。なんでだったっけ?
確か、俺が奏との約束の時間に間に合わなかったんだっけか?
いないってわかっていたけれども、俺は公園へ行ったよ。
だけどね、そこにいたのは知らない子達ばかりだった。
怖かったよ、話しかけられたけど逃げたよ。
だけど、ある一人のお姉さんはなぜか話せたんだ。
お姉さんの顔が良かったとかそういうのじゃなくて、何か話してもいい人だなって思ったんだ。
お姉さんは優しく接してくれたよ。
だけどね、だんだん暗くなってきて、帰る時間になったときお姉さんは言ったんだ。
「私を幸せにしてね」って。
その時思ったんだ。直感だけど、奏かなって思った。
次の日、俺はまた公園に行った。
奏がいた。
もちろん、謝った。そしたら、奏も「ごめんなさい」って。
あれから16年経った。
俺は奏と結婚した。今の奏はあの時のお姉さんにそっくりだ。
ある時、俺はあの公園に行ってつぶやいた。
「俺は奏をずっと幸せにするよ」と。
END
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