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その日硲学園にやって来たのは緑髪の女性だった。
「すいません。 この辺りの学校に妹達がいるはずなのですが、ご存知ありませんか?」
突然話し掛けられた金髪の少年は思わず訝しげに彼女を見て、警戒する。
驚いたのも彼がそんな事をした理由の1つだが、もう1つワケがあった。
一般人のように見えるこの女性が、特殊な場所にあるこの学園を見つけたからだ。
当たり前とも言える行動を取りながら彼は口を開く。
「――あの、すみません。 お名前を教えていただいても?」
「あ、名乗るのを忘れていましたね。 失念していました」
そう言って苦笑した後、彼女の表情は普通の笑みに変わった。
あっさり変わるそれに驚いて再び警戒する少年を尻目に、女性はそのまま続ける。
「私は、シード=アンビシオンと言います。 聞いた事は無いかしら?」
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