桜舞って、降りゆく先は。

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*** 夢が覚める直前、中途半端に意識がある時はなぜか意識を手放したような錯覚に囚われる時がある。 だから、いきなり意識がなくなる感じがしたのもその類だろうと楽観視し暗闇からの回復をひたすら待った。 やがて瞼の裏にちらちらと、木漏れ日程度の光が射し込み始めた。 まだ眠気が俺を睡眠の世界へ無理矢理引きずりこもうとするがなんとか絶えて光を最大限に取り込む。 違和感を感じたのは、半分ほど瞼を開いた時だった。 それまで木漏れ日だと思っていた光はいきなり温度を失い冷たく鋭く俺の瞳孔を容赦なんてなしに突き刺しだした。 それに俺の本能が“危険”を察知して、いつもよりも数倍瞼を開く速度を速めた。 カッと、某ペルソナのような効果音が入りそうな感じに見開いた瞳。 それが捉えたのは――… 冷たく光る刃と、ニコリ、と紳士という言葉がしっくり来るような柔和な笑みを浮かべた青年とも少年ともとれる男性。 刃はただただ俺の目と鼻の先で微動だにせず静寂を保っていた。
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