気づいたきもち。

3/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
白石蜜は、なんとなく不思議な子だった。 整った顔とゆるく巻かれた長い髪。見た目の可愛らしさから、多くのクラスメイトが声をかけた。 しかし白石蜜はにこりともせず、ちらりと声をかけてきた相手を見るのみだった。 授業中以外で、あまり声を聞いたことがない。そもそも、意識もしていなかった。 「あーん、憂と掃除場所おなじがよかった」 飛びついてきたのは、いつも一緒にいる玲奈だった。そばには結衣たち。 わたしたちは五人で行動している。その中でも玲奈とは部活も同じで丸一日、行動を共にしていた。 「憂のこと待ってるからね、一緒に帰ろ」 「ありがと。じゃあ、掃除いってくる」 なんとなく声を掛けるのに気が引けて、わたしは白石蜜の背中を一瞬みてから教室を出た。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!