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白石蜜は、なんとなく不思議な子だった。
整った顔とゆるく巻かれた長い髪。見た目の可愛らしさから、多くのクラスメイトが声をかけた。
しかし白石蜜はにこりともせず、ちらりと声をかけてきた相手を見るのみだった。
授業中以外で、あまり声を聞いたことがない。そもそも、意識もしていなかった。
「あーん、憂と掃除場所おなじがよかった」
飛びついてきたのは、いつも一緒にいる玲奈だった。そばには結衣たち。
わたしたちは五人で行動している。その中でも玲奈とは部活も同じで丸一日、行動を共にしていた。
「憂のこと待ってるからね、一緒に帰ろ」
「ありがと。じゃあ、掃除いってくる」
なんとなく声を掛けるのに気が引けて、わたしは白石蜜の背中を一瞬みてから教室を出た。
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