キミにキュン

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「俺なら、こっちかな」 すぐそばで見知らぬ男の子の声がして、私は見比べていた二枚のポストカードから、視線を声の方に向けた。 目の前には、初めて会う男子高校生が立っていた。 男子高校生だと分かったのは、彼も制服を着ていたから。 だけど私と同じ高校ではない。 うちの学校とは制服が違う。 彼は人懐っこい笑顔で私を見ると、私が手にしていた一枚のポストカードを指して言う。 「俺ならこっち。でも二枚ともイイよね」 彼が指したのは、函館の夜景の方だ。 もう一枚は富良野のラベンダー畑。
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