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舶は修学旅行のことを忘れているんだと思う。
もし覚えているなら、今日その話題に触れてきたはず。
それとも覚えてはいたけれど、私と深くかかわるのは望んでいないのかも。
今は彼女がいるとか……。
「あのさ、梨里。もう一度言うけど、今日だって舶君は梨里に声をかけたんだよ。この私を差し置いて」
陽菜は最後の言葉を明るく強調していた。
「そうだよね。普通は私より陽菜と入りたいよね」
「まぁね。って、それは冗談だけど。とにかく舶君が梨里を気に入ってることは確実! だからメールするぐらい、絶対大丈夫だって!」
陽菜の迫力にのまれて、思わず私は身を縮めた。
「どんなメールを送ればいいのかな……」
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