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私は走っていた。なぜか、何かに追いかけられてる感じがした。 足音も聞こえないのに。 走ってる辺りに見覚えはない。 閑静な場所で坂が多く、コンクリートの道路で人気も家もほとんどなかった。 時間は真っ昼間でとても天気が良かった。 私は手ぶらだった。 着てる服は覚えてないが、制服ではない気がした。 走りながら顔だけ振り返ると、 約10m後ろに男がいた。 私と同様に走っている。 私を追いかけてるようだ。 どちらかの手にナイフを握り、 薄ら笑いを浮かべている。 男は、全身黒っぽい服装で中肉中背、40歳くらいだ。 私は男の顔に見覚えがあった。だが誰かは思い出せない。 私はとにかく全速力で走りたかった。なのに、水の中で走るような重苦しい感覚で上手く走れない。
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