1人が本棚に入れています
本棚に追加
その間にも男の気配が近づく。 もう一度振り返ると、男の顔が2~3m以内に見えた。 先程と同様に薄ら笑いを浮かべている。 私は恐怖で発狂しそうになるのを堪え、目の前に偶然見つけた飲食店に入る。 中に入ると、受付のカウンター、店員数人、10人程並んでる客が見えた。 どうやらファーストフード店のようだが、何を売ってるのか分からない。 私がかなり荒い息で入ってきたにも関わらず、店員も客も私には目もくれない。 私はカウンターまで走り寄り、 そこにいた店員に、 「110番呼んでください!今、外でナイフを持った男に追いかけられました!」 と叫んだ。 突然こんな事を言ったら、店にいる人みんなが怖がるだろうと思った。 だが、叫んだ後私に返されたのは店員の笑顔だけだった。 周りを見回すと、私の言葉に動じてる人は1人もおらず、みんな 和やかに談笑したりメニューを 頼んだりしていた。私はとてつもない疎外感を感じた。
最初のコメントを投稿しよう!