追いかける男

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               その間にも男の気配が近づく。 もう一度振り返ると、男の顔が2~3m以内に見えた。     先程と同様に薄ら笑いを浮かべている。                           私は恐怖で発狂しそうになるのを堪え、目の前に偶然見つけた飲食店に入る。                         中に入ると、受付のカウンター、店員数人、10人程並んでる客が見えた。                           どうやらファーストフード店のようだが、何を売ってるのか分からない。                           私がかなり荒い息で入ってきたにも関わらず、店員も客も私には目もくれない。                        私はカウンターまで走り寄り、 そこにいた店員に、      「110番呼んでください!今、外でナイフを持った男に追いかけられました!」         と叫んだ。                         突然こんな事を言ったら、店にいる人みんなが怖がるだろうと思った。             だが、叫んだ後私に返されたのは店員の笑顔だけだった。                   周りを見回すと、私の言葉に動じてる人は1人もおらず、みんな 和やかに談笑したりメニューを 頼んだりしていた。私はとてつもない疎外感を感じた。
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