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目を覚ます感覚があった。 生きてたのかと無感情に考える。 そういえば刺されたはずなのに、痛みも血が流れる感覚もない。 そもそも刺されたのではなく、 気絶させられただけだろうか。 草の上で私は寝転がっていた。 目だけ動かして少し見回すと、 自分が今現在通っている学校の近くの川沿いの土手と橋が見えた。 私のすぐ横に、私を刺した男もいた。なぜか私はもう逃げようと 思わなかった。 辺りは薄暗かった。 そのためか男の表情はほとんど 分からない。 そう認識した瞬間、男は急に私に馬乗りになった。 普通なら暴れるなり大声をだすのだろうが、私は何をする気にもなれなかった。 ただ人形のように、じっとしていた。明らかに異常事態なのに、 怖いとも何とも思わない。 もしかしたら今度こそ殺されるかもしれない、と思った。 だが、予想とは裏腹に、男は私の胸や太ももをまさぐり始めた。 瞬間、私はものすごい嫌悪と苛立ちを覚えた。力任せに叫んだり 暴れても、男の力には勝てなかった。 という所で目が覚めた。
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