終わりに向かう序章

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終わりに向かう序章

とある会話より ***「それで、この前の奴の経過はどうなんだ?」 ***「肉体の回復は順調かと思われますが、重大な問題点が…」 ***「なにかね?」 ***「実は、どうやら奴は記憶を失っている様でして。」 ***「記憶が無いのならば、なおさら都合が良いじゃないか。意味も考えさせずに命令を与えれば良いだけだからな。」 ***「いえ、それは不可能です。」 ***「何故だ?」 ***「脳へのダメージのせいで一時的に記憶を失っている。此処までは良いのですが、そのダメージのせいで言語野にも障害が残っている様なのです。」 ***「つまり、我々の命令を聞かせる手段は無い、と云うことかね?」 ***「はい、その様です。」 ***「…記憶が戻る見込みは?」 ***「無くは無いですが、はっきりとした治療法が無いので、そこは運次第かと…」 ***「そうか…ならば仕方ない、アレは失敗作とする。処分しておけ。」 ***「…分かりました。」
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