1 再会

11/14
前へ
/25ページ
次へ
しばらく黙りこんだあと、 「な、ななななな何で私がコイツと付き合わないといけないの!?」 「そ、そーだぞ!あっちゃん!」 「淳子は見た感じで言っただけだろ?」 「そうだよー」 そして2人ともそっぽを向いて再び顔を赤くした。 「優子?顔赤いよ?」 「え?ちよっ、ちょっと暑くて」 (ベタな誤魔化しかただな) それから また駄弁っていると 知らないうちに外は薄暗くなっていた。 「そろそろ帰るか」 「えぇ~」 優子が駄々をこねる。 「どうせ明日も会うだろ」 「確かに。じゃあお開きにしますか!」 レジ行き、会計を済ませて外に出た。 「じゃあな。また明日」 「おう!じゃあなぁ」 「って…智。お前こっちだろ?」 「あぁ。もう暗いから優子送ってくよ」 「そか。じゃあまた明日な」 ここで、智と優子とは別れた。 「さて、俺も送ってくよ」 「ありがとう。俊と同じ方向だから」 「そか。じゃあ、行くか」 こうして俺と淳子も帰路についた。 「そう言えば、何でまた戻ってきたんだ?おじさんの仕事か?」 「まぁそんなとこ」 他愛ない会話しながら歩き、 俺の家近所まで来ると。 「懐かしいなぁ」 「4年振りだからな。でも、何も変わってねーけどな」 「だから懐かしいんだよ」 「確かにな。あ、お前んちどこ?」 結局、俺の家の前まで来てしまった。 「えっとね。ここ」 「え?」 淳子が指差した方向を見て俺は目を疑った。 (き、気のせいだろ) 「なに言ってんだよ。ここは俺の家」 「うん。そして、私の家」 (は?この子は何を言ってるんだろう…) 「さ、入ろう入ろう!」 そう言って淳子は、普通に玄関に向かっていく。 「お、おいっ!」 「ただいまー!」 「あら淳子ちゃん!お帰りなさい。久しぶりね 「お久しぶりです。おばさん」 2人の会話を聞いて、俺は益々訳がわからなくなっ 「ちょっと待ったー!!!」 耐えきれずに大声を出してしまった。 「どうしたの俊?そんな大声出して」 「麻理子さん。ちょっと聞いていいかな?」 麻理子は、俺の母さんの名前だ。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加