1 再会

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4月。 俺にとって。 というか、 高校3年にとっては 最後の春。 いつもの様に起きて、リビングに向かう。 「おはよう。ご飯食べなさい」 「あーい」 まだ眠い目を擦りながら 母さんが作ってくれた朝食を食べ始める。 「父さんは?」 「もう会社行ったわよ。会議があるんだって」 「へー」 普通の親子の会話をして、 テレビを見ながら朝食を済ませ、部屋に戻り制服に着替える。 (あと1年か。特に何もなかったなぁ) なんて考えながら、 制服に着替えて、寝癖を直す。 ピーンポーン 玄関の呼鈴が鳴った。 すると母さんがそれに反応して玄関に向かう。 「はーい」 「あ。おはようございます!」 「あら、智くん!おはよう」 「俊いますか?」 「えぇ、ちょっと待ってね。すぐ来ると思うわ」 時間を見て、そろそろ来ると思っていた俺は、ちょうど階段を降りきって玄関に着くところだった。 「智おはよー」 「おはよー!それじゃ行ってきます!」 「行ってきます」 「いってらっしゃい!」 母さんに見送られて、智と家を出た。
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