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「この前も俺おごらなかったか?」
「この前はこの前。今日は今日!」
(なんだそのどっかのガキ大将みたいな考え方は…)
なんて思ったが、
ハイテンションの優子と2人きりは流石に体がもたないと思い、しょうがなく智に承諾した。
すると、担任が教室に入ってきた。
「おーい。始業式だから体育館行けー」
それを聞くなり、全員が体育館に向かって移動を始めた。
――――――――――――――――――
終始、校長や生徒指導部の先生の長い長いお話を聞き終え、俺たちは教室に戻りホームルームが始まった。
「えーっと。今日から3年だ!進学するもの、就職するもの。バラバラだが切磋琢磨して頑張るんだぞ!」
(朝から熱いな…)
「それから、なんと今日から仲間が1人増える!」
そう言われて隣の席を見ると確かに空いている。
(俺の隣か…)
「先生!男ですか女ですか!?」
はい。
転校生が来たときのベターな質問入りましたー。
「なんと…喜べ男共!女子だ!」
『うおぉぉぉぉぉ!!!!!』
はい。
ベターな反応ありがとうございました。
「よし!じゃあ入ってこーい」
そう言われて、外から1人の女の子が教室に入ってきて、教卓の横で立ち止まった。
『めっちゃかわいいやんけー!!!』
『春来たー!!!』
とか騒いでる奴らを他所に、
あまり興味がなかった俺はずっと外を見つめていた。
「よし!自己紹介!」
「はい。今日からお世話になります。前川淳子です。よろしくお願いします!」
(え?)
俺は名前を聞いて慌ててその娘の顔を見た。
(マジかよ…)
俺はただただ驚いていた。
転校生は、
俺の初恋の人だったんだから。
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