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自己紹介を終えた淳子は、小さく礼をした。
「よし!それじゃぁ前川、席はあそこの早坂ってバカなやつの隣だからな」
「先生ー。俺はバカじゃないですよー」
「なぁに言ってんだ早坂。誰がどう見てもバカだろ」
「はぁ…もぅいいです」
「じゃあ前川。席について」
「はい」
先生に指示されて、淳子は自分の席につく。
「よろしくね」
「あ、あぁ。よろしく」
(俺のことわかんねーのかな?)
淳子とは幼馴染みで中学2年を境に会っていなかった。
それは、淳子が両親の事情で転校してしまったからだ。
つまり、約4年振りの再会な訳だ。
「とりあえずこの時間は特に何もない!午後からもう一度ホームルームやって終わりだ!ってことで、お前ら騒ぐなよ!じゃあな!」
そう言い残して、先生は職員室に戻っていった。
「じゃあなってなんだよ」
呟く。
「え?早坂くん何か言った?」
「え?あぁいや。別に?」
「そう?」
俺のことを忘れたのか、気付いていないのか分からないけど、ちょっとだけ寂しくなった。
「あの先生面白いね」
「そうか?ただ熱いだけじゃない?」
「でも、面白いよ」
俺のことが分からなくても、
久しぶりに淳子と話せて嬉しかった。
話に夢中になっているとチャイムが鳴った。
それと同時に優子と智が俺の席にやって来た。
「俊ー。飯食おーぜー!」
「そうだな。淳子も一緒に食わないか?」
「え?いーの?」
「淳子ちゃんも一緒に食べよーよ!」
「ありがとう!」
礼を言った淳子は、すごく嬉しそうだった。
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