25人が本棚に入れています
本棚に追加
ファミレスと学校は近くて、
歩いて5分位だ。
そんな短い道のりで、
俺たちの前を歩く智と優子は、
何を話しているかは分からないが
とても楽しそうだった。
「あの2人って仲良いよね」
「うん。あいつら幼馴染みなんだって」
「へぇ。幼馴染みって言うより、カップルだよね」
「確かに、バカップルだけどな」
「ははは。言いすぎだよ」
「そんなことないだろ」
こんな会話をする時がまたくるなんて思わなかった。
今は、すごく楽しい。
「幼馴染みかぁ」
「羨ましいの?」
「羨ましいよー。俊くんは思わないの?」
「俺は……羨ましいかな」
「ほらー」
「淳子の幼馴染みは?」
「え?」
何を遠回しに言ってんだよ俺。
素直に聞いたらいいじゃんか!
自分に対して苛立った。
「私の幼馴染みかぁ…懐かしいなぁ。一緒に遊んだり勉強したりして楽しかったなぁ。そう思わない?」
「え?」
「私の幼馴染みさん?」
(え?気付いてたのか?)
不意に言われてその場に立ち止まる。
「どうしたの?4年振りの再会なのに」
「ちょっ!お前気付いてたのかよ!」
「当たり前じゃん。なに?私が気付いてないと思ってたの?」
「なんだよ!知らないふりしてた俺が恥ずかしいじゃん!」
「知らないよー。ふふっ。とりあえず、久しぶり。俊」
「ひ、久しぶり」
やっと。
ほぼ1日たってから
やっと。
再会できた。
最初のコメントを投稿しよう!