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「独占欲丸出しで余裕なくて………。……お前がピンチなのにすぐに駆けつけられなくて…ごめん。」
「…でもさ。すっげー格好良かったんじゃない?ヘタレにしては」
笑いながら言うと「うるせえ」ってくぐもった声が聞こえてきた
「怖かったんじゃない?」
「……んなわけねーだろ……。」
「声…。小さいけど?」
「気のせいだよ。」
「ふーん。……。ありがとう。」
「……。うん。」
改めてぎゅっと力強く抱きしめられて
涙がこぼれそうになった。
「仁。俺の方向いて?」
「やだ。」
だって今泣きそうだもん。
「なんで。」
あ…ちょっと拗ねた。
「…なんでで……っ!?」
なんででもと言おうとしたらいきなりくるりと反転させられて章太くんと目が合う。
「いきなりなにすんだよ。」
「ごめんごめん。仁の顔見たくて…。」
「……。」
「どこも怪我してない?」
「うん」
「……はあ…本当良かった。ところでさっきのやつ誰?」
「高校の先輩」
「……そっか。今度から待ち合わせは仁の家にしよう。決定。」
「いや。俺賛成してないんだけど」
「拒否権はない」
「変なとこで強気だよね。」
笑いながら言うとむすっとした顔になった章太くんにおでこを小突かれた
「なにすんっ……」
本当のことを言っただけなのになんで小突かれなきゃなんないの
などと反抗的な気持ちが加勢してちょっと怒ってみようと口を開いたら章太くんの唇で塞がれた
「っ…んんっ……ちょ…いきなりっしかもこんな街のど真ん中で…っ」
「仁。メリークリスマス」
「…無視すんなよっ」
「はいプレゼント」
「だから!無視すんなって……。は?」
プレゼント
と渡されたのは小さな箱で
開いて渡されたそれにはイルミネーションによって光り輝くシルバーリングが入っていた
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