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『じゃあ明日夜7時あの噴水前で待ち合わせな。』
『大丈夫だって、心配しすぎ。うん、うん、わかってる。ちゃんと暖かい格好していくから』
『うん、じゃあね。』
ぴっ
クリスマス
そんな電話をしたのが昨日の夜10時
凄く楽しみにしていたクリスマスの密やかなデート
プレゼントだってちゃんと用意した
あとは合流するだけ
仕事終わって直行する
って昨日電話で言ってたけど………申し訳ないことしたな。
俺が会いたいって思っただけなのに
……。
「50分……あと10分か」
はあ
っと息を吐き出せば白く染まって周りのイルミネーションを霞ませた
「あれ?」
目をとじて待っていると昔聞いた懐かしい声が耳に響いた
「仁?やっぱり!久しぶりだな!」
にやにやと笑いながら近寄ってくる先輩
「……はい」
「相変わらず連れないね~。誰かと待ち合わせ?」
「……そうですけど」
「なあなあ。俺今さっき彼女に振られたばかりなんだよね~。ちょっと付き合ってくれない?本当ちょっとだけでいいからさ!」
…わざわざ彼女に振られたとか惨めなこと話さなくてもよくない?
先輩って昔からこうだよな。
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