16人が本棚に入れています
本棚に追加
「やめて!離してよ!」
「うるせぇ!黙ってついてきやがれ!」
草原に似合わない、如何にも山賊ルックな男が少女の腕をつかんでいた
その回りに二人、それぞれがサーベルを所持、か…話の流れ的に助ける必要がありそうだ
ただ参ったな…実験の時はカードを置いていくようにしているから、今は持ってないんだよ
別の世界なだけあって、奴等がファンタジー的な力を持っていたら面倒だ
それでも助けることには変わりない
「いい加減だまッ…!?」
「淑女(レディ)に手を挙げるのは感心しないな」
少女の頬を叩こうと振り上げた腕を、振り下ろす寸前でつかんだ
手を挙げるのは感心しない、か…俺にも言えることだな
地上にいるアイツら、元気にやってんのかねぇ…
「何だテメェ!どこから湧いてきた!」
回りに居た二人が所持していたサーベルを抜いた
やれやれ、穏便に済ませ…られないか
「お前さんら、ソイツはオモチャじゃねぇんだ。手に持っている光モンを捨てねぇと、コイツの腕…折るぜ?コイツを仲間だと思うならすぐ…」
「そんな脅しが通用するわけねぇだろ!」
二人の内一人がサーベルを振り上げ、力強く振り下ろしてきた
「残念…」
俺はつかんでいる腕を力ずくで振り上げ、その男を武器のように振り回した
男の足はサーベルを弾き、そのまま後頭部へ
昏倒すると同時に、つかんでいる男の腕から鈍く割れるような音がした
参ったな、本当に折る気はなかったんだが…まぁいい
最初のコメントを投稿しよう!