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つかんでいた腕を離すと、男は声にならない悲鳴を上げて草原に踞った
「さて、後はお前さんだけだ。どうする?二人をつれて逃げるか…それか、俺とやるか、好きな方を選び…」
「お、覚えてやがれ!」
如何にもといった捨て台詞で昏倒している男を引きずり逃げ、もう一人も腕を押さえながら逃げていった
「残念だが、そう言われると覚える気をなくすんだ。あと、最後まで言わせろっと…」
俺は軽く息を吐いてリミッターを掛け、呆気に取られている少女に目を向けた
所々が跳ねている長い茶髪に茶色の瞳
特に刺繍を施していない茶色の服に同色のスカート
服の胸元には大きな丸いボタンが付いている
「あ、あの…」
「ん?あぁ、すまない。それより、Bonsoir mademoiselle.怪我はないか?」
「はい、助けていただきありがとうございました。えっと、ボンソワ…?」
「ただの挨拶さ」
「かわったあいさつですね。服も見たことありませんし…どちらからいらしたのですか?」
黒いジャケットに黒いシャツ、同色のジーンズに革のベルト…
俺の普段着ではあるが、確かに彼女の服装を見るに変わっているのだろう
どこから、か…説明が難しいな
まさか初対面で異世界からとは言えんだろ
かといって、他に答えようがない
どうしたものか…
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