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まぁ兎にも角にも俺、新田啓二はこの全寮制の男子校、ビーハインド高校に通う健全なる高校二年生である。 大事なことなのでもう一度言おう。 俺は健全なる高校二年生である。 ヘッドホンを常備しており、現実から目を逸らすための重要な装備、いや。 俺の相棒だ(`・ω・′)キリッ 相棒のお陰もあって今のところ、順調にスクールライフは送れている。 モブ中のモブとして、目立たず静かに学園の空気となって過ごしている。 それは今後も変わらない。 変えさせなどしない。 そう、もし俺の目の前で王道の道を突っ走っているモサオくんが喚いていたとしても、だ。 「なあ!お前名前何て言うんだ!?教えろよ!!!」 無視。 ただひたすらに、無視。 ここで一つ、王道転校生対策を伝授しよう。 『存在がないものとし、アクションを一切とらないこと』 否定の言葉を言い続けるという選択肢もなくはないが、そんなことモブはしない。 そうだろう? 今一度BL小説を読み返してみるがいい。 主人公やその他主な登場人物以外のモブキャラ、いわゆるクラスメートAなどはなんのアクションもしていないはずだ。 それに中にはドMという変態野郎なモサオくんも存在するらしいので、毒を吐くというのは危険性が高い。 ということで、こう言った状況に陥ってしまった場合ノンアクションが最も簡単で安全かつ有効な策なのである。 シンプルイズベスト。 さあみんなも目の前のウザったいモサオくんをシカトしよう!!!wwww 「なあ!!俺は八代 廉(やしろ れん)!!!ほら、俺が教えてやったんだからお前も教えろよ!!!」 八代wwwww 八代と言えば『それが私だ、ラッ○ーマーン♪』の八○亜紀しか出てこねぇwwww というか、今さっき教壇で名乗ってましたよね? まあ聞いてなかったけどwww 俺はスルースキルをここぞとばかりに発揮して、首にかけていた相棒を装着した。 耳元にマミさんの神々しいテーマ曲が流れ出す。 ああ。 癒される……。 高性能なノイズキャンセリング機能によってモサオくんの声はログアウトされましたwww 高速で口を開閉している様は酸欠の魚みたいでワロタwww 俺は静かに目を閉じ、少々感傷に浸ることにした。 今もなお喚いているであろうモサオくんが俺の前席についたのが2分前。 モサオくんが教室に入ってきたのが―――――――
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