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『高田..この詩いいね。私もこういう手のものが好きでね。』
と私の作文ようしを私に見せながら柔らかく笑って言った。
『あ...ありがとうございます...』
『空高く吸い込まれてく真っ赤な風船。私の気持ちも空に吸い込まれてしまえばふわふわ迷わず飛べるかな..』
吉田先生はしみじみとした表情で私の詩を読み上げた。
『ちょっ...えっ..あの..』
私は恥ずかしくて下を向いてもごもごしていた。
『高田..。放課後一緒に詩を書いたり見せあったりしてみるかい?私もなかなかいいの書くんだよ。ははっ』
と無邪気な顔で笑った。
『えっ...あの...えっと...』
私はいきなりの提案に戸惑いが隠せなくて言葉がでなかった。
『わかった、じゃあもし興味があるなら放課後教室に残るといいよ。高田は恥ずかしがりで不器用な子っぽいからな。うまく返事できないだろ?』
まるで私を良く知っているみたいな言い方にびっくりしながらゆっくり頷いたら吉田先生は優しい笑顔を私に向けさようならと言い教室から出ていった。
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