不審な天使

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ボソボソと大学名を言い、ドリンクホルダーに缶を置いた。 単調な揺れは心地好くて、暖まった車内は静かで、流れていく景色が俺を遠くに運んでくれているようで。なんか落ち着く。 「ここから遠いとこなのにー。そっかあ、うんうん。じゃあそれは、天使見習い美羽サンタさまに任せなさい!」 にっこり笑う美羽に、俺も笑った。 「サンタが天使見習いとか、変だろ」 「いいのいいの。まあそれとは別に、欲しいものとかない?クリスマスプレゼントが合格祈願の御守りとか…なんか変だよね」 それは…確かに変だな。
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