不審な天使

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「あんたが、本当に天使で…」 そんなことはないって、わかってるけど。 「願い事なんでも叶えてくれるならさ」 暗くなり始めた外の景色。美羽はライトをつけてから、コンポタの缶に口をつけた。 願い事。…いや、馬鹿げてる。サンタクロースも天使も、いるわけない。 「来年受験だし、受かるよう応援でもしといて」 温くなったコーヒーの缶を開け、甘ったるくて独特の苦味があるそれを口にした。 「受験かあ…どこ狙ってんの?」
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