煌めく河を渡る季節-トキ-

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---- 習慣とは恐ろしい…。 ---- ---- 休暇2日目 ヤバい、何もすることがない。 無趣味な自分に気が付いたww 昨日は夕方までひたすら寝て今日はいつもどうりの起床。 って、今6時半だよ、やることねぇ!!! とりあえず誰か絡んで。 ---- 書いた自分の文章を読み返して笑う。 進んでゆく時計の針をもう一度見て、 本当に休みの日に起きる時間じゃないと呟いて、 携帯のEnterボタンを押す。 「マジでなにしよう…」 頭を掻きながら部屋を出てキッチンへ移動すると、 母親が少し驚いた顔をして笑う。 「あら、今日は早いのね煌河(コウガ)」 「んー …なんか食いもんない? 腹減った」 椅子に座り、テーブルに置きっぱなしになった新聞に手を伸ばす。 何気に目を通しながら独りで過ごす時間の味気なかった毎日を思い起こす。 「……」 朝食を用意してくれる母親の姿にちょっと感動した。 「何?」 俺の視線が気になったのか怪訝な表情で問いかけてきた母親に笑いを返してみせる。 「や、料理が出てくるってスゲーなって ちょっとかあさんの有難みを実感中…」 “ありがとう”とは恥ずかしいので俺にとってそれと同意語、もしくはそれ以上…な 台詞を吐いてみたら 「あんたも早くいい人見つけなさいよ!」 と、見事に一蹴されてしまった。 ハハハと苦笑いを浮かべてお茶を口に含んだ瞬間。 「どうしてあんな良い子と別れちゃったのかしらね」 「ブッ!!!」 服の裾で口を拭いながら母親の、母親らしい無神経な発言に溜息を吐く。 “心配なのはわかるけど、もう少し考えてくれ” 声に出せない代わりに心で愚痴って布巾を手にした母親の小言を聞き流す。 ここは、嫌でも思い出が多い…。 もうあとは無言で飯を食い、時折テレビに向かって笑い声をあげる母親に「ご馳走様」と部屋に戻る。 余す時間を解消しようと本を手に取り、好きな箇所を開いて目で文を追う。 それを、読んでいないことに気付いたのはどれくらい経ってからか…。 「“別れちゃったの”…って なんも知らねぇ癖に…」           ---- はじめまして、彩夏(アヤカ)といいます 私も早く起きてしまったので、ついコメントしてしまいました ----
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