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ファミレスから出て来た紅子はまた何処かに行く。
碧子(今度は何処に行くんだ?)
――ズサァアアア!!
紅子は道端の真ん中に大袈裟に転んだ。
碧子(転んだ!?あの歳で転ぶ奴何かいないって!?)
後ろ姿しか見えないから紅子の顔は良く分からないが肩が震えていた。
碧子(泣いてる!?マジで泣いてる!?)
紅子は着物の裾で目許をごしごしと拭いてから走って行った。
碧子(速っ!!どんだけ足速いんだよ!!)
碧子は紅子を追い掛けた。
紅子は急に立ち止まり何かを拾った。
紅子「100円見っけ」
碧子(たかが100円の為に走ったのかよ!!)
紅子は100円を拾った事に喜んでるのかスキップしながら進む。
それからまた立ち上がり、近くにあるボランティアに紅子は100円を募金する。
…………………。
………………。
……………。
碧子(さっきから好き放題に食べたり遊んだりしてね?アイツ本当に攘夷志士?庶民にしか見えねーよ!)
碧子(まさか紅子が人斬り飛縁魔なのか……?)
付いて行くうちに段々と周りが暗くなって来た。
浪人壱「おい!お前の持っている刀寄越せ!!」
急に三人の不逞浪士らしき人物に紅子は絡まれた。
紅子は何も躊躇い無く、刀を抜いて真ん中に居た不逞浪士の一人を斬る。
浪人弐「このクソ野郎が!!」
二人の浪人が一斉に紅子を突き刺そうとした刹那。
紅子は人間とも言えない動きで飛ぶ。
落下した勢いを使って浪士二人の頭上を両足で踏み潰す。
浪人弐・参「「ぐほぉぉおおお!!」」
鼻血と口から血を噴水のように吹き出してそのまま倒れた。
着地した紅子の横顔の頬に赤い血液が付着している。
その姿にゾッとした。
紅子「碧子……出て来いよ」
…………。
………。
碧子は大人しく電信柱から出て紅子を睨み付ける。
紅子「ストーカーかよ。何の用何だよ?」
紅子の声は低く不機嫌さを感じさせる。
碧子「誰がテメェみたいな奴をストーカーするかよ。用?用は……」
碧子は素早く紅子に近付き、刀を抜いて紅子に向かって斬り掛かる。
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