14人が本棚に入れています
本棚に追加
そう――私は惨めな日常との脱却のために自殺したのだ。
自殺を計るためこの廃ビルを昇るとき私は『死の恐怖』を感じて足がすくんでしまうんじゃないか?
と思った。
だが――不思議なことに来世への期待からなのか?
それとも死んだ後に自身がどうなってしまうのかという好奇心からなのだろうか――
屋上に向かうための私の足はドンドン足早になっていく。
そして屋上――
私の死を上から見送るのは立ち込める黒い暗雲。
だが私の自殺を止めようとするかのように――強い向かい風が私を襲っていた。
しかしそんなチンケな風に私を止められるはずもない。
私は何の迷いもなく屋上から勢い良く飛び降りた――
『ヒュッ――グシャッ!!』
風を切りながら地面に落ちていく感じは覚えている。
だが、体が地面に触れたときの事は全く覚えていない。
そして、そんな私が死んだ後視覚を使って最初に見たのは見るもおぞましい自分の白い顔だったのだ――!!
すいません嘘です…。
いや…頭の方は――うん、ホント言葉では語れないぐらいのおぞましい光景でしたが…
あれは酷かったなぁ…
でも――顔の方は、
見るもおぞましいなんてものでははありませんでした。
どんな顔してたかというとですとね…
最初のコメントを投稿しよう!