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「また夢見ちゃった‥‥」
欠伸しながら大学のキャンパスを歩く。
「莉沙~おっはよ」
肩をポンと叩いたのは親友の久美。
目がクリッとして、色白で本当に可愛い。
中学からの付き合いだが
彼女と歩いていると、視線が久美に集まるから何だか鼻が高くなる。
「久美~凄く眠いよ~」
そう言いながら腕に擦り寄ると、いつもの甘い香り………
癒されるぅ~
「やだぁ~。またクンクンしてるぅ」
あはは…と談笑しながら教室へ。
窓側が私達の指定席。
二人で眠り歌の様な講義を受けながら耳を澄ませる……
‥‥‥♪~~‥♪♪
あ……今日も聞こえる。
目を閉じてそのピアノに耳を傾けた。
週に一度午前中だけ
少し離れた音楽室から聞こえてく優しい音色……
私はこの時間が一番好き。
私は中学まで近所のピアノ教室に通っていた。
……まぁ止めちゃったんだけど
私は自分が弾くより
聞く方が好き。
優しい旋律は
何か心を穏やかにしてくれるから……
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