魔法使いの帰還

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 俺を知っているかのような態度に瞠目するが、ネルと言いリースと言い……何故こうも俺のことが知られているのだろうか。  ネルに至っては炎を見ただけで俺を炎の魔法使いだと特定した。  俺は不本意ではあるが自分が魔法使いと呼ばれているなんて、ナチに言われて初めて知ったのに。  セスにそっくりなこの容姿も原因の一つなんだろうが。 「陛下と王妃様がお待ちです。謁見の間までご案内致します」 「随分と準備がいいんだな」  まるで俺がこちらへ来ることが分かっていたかのように準備が整い過ぎている。  リースは微笑むだけで、その問いに答えることはなかった。  知りたきゃ着いて来いってか。 「ふん、上等じゃねぇか」 「ティア?」 「行くぞ」 「え、うん!」  先を行くリースを追い、今度はナチを先導するように一歩前を歩いた。
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