★...プロローグ

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--------------- テレビでさ、近所とか、行ったことのある場所が映されたりすると、テンションが上がるのは俺だけかな? やっぱり田舎者の考えなのだろうか? リモコンに手を伸ばし、テレビの電源を入れた。 すると偶然にも近所の事がニュースに取り上げられていた。 『今朝未明、○○銀行に強盗が入り現在も立てこもっている模様。犯人は複数おりその中でも魔法を使える者がいるという情報が入ったため、警察だけでなくガーディアンも配備されているとの事です。なお、今回の事件でまたもや人間と魔法使いとの溝が深まっ...』 ピッ! まあ、近所が映されたからといって、その件の善し悪しはわからんのですよ…。 独特の電子音と共に暗転したテレビを背に俺は大きく息を吸った。 「スーッ…ハーッ!」 そして吐いた。 深呼吸をした少年は、まだ温かみを残した寝巻きを脱ぎ、ひんやりした制服に身を包む。 真新しさを感じさせる独特の匂いがするそれは、 ああ…春の香りだ! 肺に春の香りがいっぱい入ってくる! 気がする。
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