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色々準備を済ませた俺は、カラフルなリュックを背負い準備は万端
玄関で靴を履いた俺は、つま先をトントンと鳴らし玄関のノブを回した。
「行ってきます。」
一人暮らしを始めたばかりの少年はうっかり誰もいない部屋に挨拶をして頬を赤く染めたのは言うまでもない。
その部屋からは当然返事はなく、ただ虚しく声が響くだけであった。
ひとり暮らしの実感ないんだよなー
家を出たのはいいが寮までは少し距離がある。
自転車でも行くまでの距離でもないがそこそこ遠い。
寮から学校までの距離は遠からず近からずなのだ。
「さて…始めるか」
俺はそう呟き、定番のあれをやる。
みなさんこんにちは!
俺の名前は佐藤月華(さとうつきか)今日から高校一年生!
よく女の子っぽい名前だねとか言われるけど男だからね!
おっといけない!遅刻しそうだ!早く学校へ行かなくちゃ!
なんてね★学校が楽しみすぎて早く出ちゃったくらいだよ!
なんて誰に話しかけているかわからない心の声はとても虚しく、自分でも顔が熱くなっていくのがわかった。
無理に古風な少女漫画的ノリを演じてみたが失敗に終わった。
しかし、中途半端にやめることはできず、続けた。
――ここからが問題。
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