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「あ、ありがとうございます、えっとー、俺何も渡す物なくてすみません。」
「いえ!全然良いですよ!あの、佐藤君は色々大変だと思うけど、がんばってね!」
なんていい子なんだ!
俺の苦労を察して温かい言葉まで送ってくれる…
俺は嬉しくて泣きそうだよ…。
「ん、んじゃ、今日はこれで…。おやすみなさい!」
「あ、お、おう!おやすみ!」
別れの挨拶を告げた彼女はスタスタと足を進め部屋のノブに手をかけた。
部屋に入る間際、こちらへ向けた笑顔はとても愛くるしかった。
彼女が部屋に入ったのを確認した俺は踵を返すように部屋に戻り深く息をついた。
「ふぅ~」
それにしても、今日は疲れた。
早く寝よう。
俺は勢いよくベットにダイブした。
ひんやりとした寝床は火照った体の温度を徐々に下げ、眠るために適した体温まで下げてくれた。
俺はその布団の包容に身を委ね、ゆっくりと深い眠りについた。
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