★...出会い

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「ほんとに?」 上目遣い、目にはうっすらと涙、唇を噛んで言うその顔には不覚にもドキってしてしまった。 「あぁ…ホントだ。」 それを聞いてと安堵した様子の彼女。 しかし思い出したかのように鋭い目つきでこっちを睨んできた。 なんで睨まれるんだ俺… 「んじゃ、それだけだから、教室戻るわね」 スタスタと階段を降り彼女は教室へ戻ろうとした。 「ちょっと待てぇ!」 彼女が階段を下りるのを阻むように言い放った言葉だが迫力はなくとてもか細い、男子高校生が放つ声ではなかった。 止まる彼女は不機嫌そうな目で此方(こちら)を睨めつけてきた。 あぁ、わかったぞ。彼女は次にこう言うだろう。 もう私から話すことなんかないわよ 「もう私から話すことなんかないわよ」 俺もすごいだろ?この勢いで魔法使えるんじゃないのか? 「お前、話すだけ話して終わりって…そりゃないだろ?」 「なによ。何か欲しいの?金?」 「違えよ」
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