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その後教室で、遼にいろいろ尋問されたが何もなかったよなど適当に茶を濁しておいた。
ウールド嬢は変わらず俺を睨んでくる。その意図はたぶんこうだろう。
もし言ったら殺すかんね
だ。
あぁ…、俺の高校生活、早くも波乱万丈だな…
するとそこに、
「ういーっす!君が月華君?うちの名前は綾崎空(あやさきそら)っていいまーすッ!うちの椎菜がおせわになりました!」
「ちょ、ちょっと、空ぁ!まだ、別に何もされてないし、佐藤君に迷惑だよ!」
目の前に現れた二人の女子、一人は見覚えがある。隣人の月島椎菜さんだ。
もう一人、綾崎空という名の少女。
「いやぁ・・・ごめんごめん椎菜。そういえばさぁ…椎菜が昨日そちらのお宅に行ったらしいじゃん?遼、どうおもう?」
俺の方に向きながら遼に語りかける少女は笑顔だった。
このあとの出来事は綾崎空という少女の思惑通りに動いたに違いない。
「どういうことだ、月華…」
遼の面影は既になく、紅顔の美少年の顔立ちは憤怒の形相へと変貌し、この上ない怨恨の色に染まっていた。
「い、いや…あの…そのですねぇ…」
ちゃんと正当な理由を言えばいいものの、しどろもどろになってしまう俺は助け船を要求した。
「ちょ、月島さん。なんか言って!」
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