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俺は寮に帰ると飯を作る準備にとりかかった。
実家では母さんが朝昼晩と料理をしてくれていたが、一人暮らしとなるとそうはいかない。
引っ越してきたばかりの時はコンビニや定食屋でのご飯が多かったが、最近では落ち着いてきたせいもあって自炊に挑戦している。
料理番組やインターネットを活用してレシピを立ててみたりするが、どうもうまくいかない。
別に食えないわけじゃないんですが…その…お口に合いませんな。
おたまで鍋に入った汁をすくい味見、いや毒見。
オー!ワタシノ クチノナカ ワンダーラーンド!
美味しくない。
余分に作ったのもあって、明日の朝も食べなくてはならなくなってしまった。
「はぁ…」
すっかり意気消沈である。
お母さんのありがたみを知った夜でした。
ごちそうさまをして、一日の汚れを落とすべくお風呂に向かった。
今日は疲れたしシャワーだけでいいや…
ふと目に入ったのが右手の甲に貼られたシール
これって洗っても落ないのか?
ゴシゴシゴシゴシ
全然落ちない。
洗っても落ちないってシールじゃないんかな…?
明日詳しく聞いてみよう。
浴室を出たら寝巻きに着替え、すぐさま布団に潜り、明日を寝て待つことにした。
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