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渡辺が化粧室から出ると、店内がざわついた。
店員、客らが渡辺に冷ややかな視線と危険視する様子で立たずんでいた。
それらの思惑全て察したが、無視して渡辺は何も買わず、便所を汚しただけで、コンビニを出た。
すると店先に学生服を着た「柄の悪そうな男達」が6人…横一列に並んでいた。その内の1人が鼻から大量の出血を流し、周りに支えられていた。
「これから」行われる事を渡辺は一瞬で察し、その一瞬の隙をついて、男達の脇をすり抜け、全力で駆け出した。まぁ簡単に言えば「逃げた」
「おい!ちょっと待てこら!」
学生服の男達の誰かが言っているが渡辺は気にしない。
…待てと言われて待つ奴なんて馬鹿以外の何者でもない…
男達の何人かが渡辺を追いかけた。逃げる渡辺。男達は渡辺を捕まえる事が出来なかった。
諦めた男達の1人が渡辺に言った。捨て台詞とも言えよう。
「お前覚えてやがれ!その制服「北高」だな。てめえなんかすぐに見つけてボコボコにしてやる。お前も馬鹿だな。この自転車の防犯登録ですぐ身元バレんぞ!ざまぁみろ!」
それらの暴言を背中越しに聞いた渡辺は頭に来るが、笑う。笑いの方が勝る。
…馬鹿はお前だよ…
結論から言えば、防犯登録で渡辺を捕まえる事は、彼らには出来なかった。
「渡辺が乗っていた自転車は渡辺のものではないからだ。」
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