70人が本棚に入れています
本棚に追加
「まあ、いいじゃん。……それよりさ、さっき真幌と話してたよね?」
不安そうな表情(かお)。
聞きたいけど、聞きたくない。
そんな表情だ。
「また、泣かせちまった。……俺は真幌を泣かせてばかりだな」
自嘲する俺に、総司は切ない笑みを向ける。
「それは土方さんだけの問題じゃないでしょ。そうやって、いつも一人で抱え込もうとするんだから」
ったく、こいつは……。
俺はただ、曖昧に笑うことしかできなかった。
「真幌は気づいてたよ、俺たちが殺ったって」
一度視線を逸らしてそう言うと、総司は驚いた顔をしてそっか、と目を伏せる。
……薄々感づいてたのかもな。
俺は真幌の言葉を総司に話した。
泣きそうな顔で、だけど必死に伝えてくれた言葉を。
最初のコメントを投稿しよう!