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15年前
私が10才を少し過ぎた夏休み。
父の休暇と共に母と3つ年下の妹の栞と祖父母の居る、とある東北の町を訪れて居た。
山と河が美しい綺麗な山間部にそこはあった。
しかし友達の居ない私達二人は大きな庭で縄跳びをしたり、持参したお人形や夕方からのアニメなどを観ながらのんびりし過ぎて少し退屈な日々を送っていた。
ある日のこと。母が。
「ねぇ沙織。ここの下の坂道をずっと登っていくと小さなお宮様に公園があるから。宿題を済ませてしまったら行ってらっしゃいよ」
と、声を掛けてきた。
「栞はお昼寝しちゃったよーっ」
「あらま。起こすとグズるから明日にでものぞいてくれば。お友達もできるんじゃないの。」
時計を見ると午後3時。
少しの冒険心と共に私は一人で夏のサンダルを履いていた。
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