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あれから10数年。
私は「大人」になった。
その時迄の事は今は語らない。
夢?勘違い?だよねって。
間違えたフリをしていた。
違う。
知らないフリをしていたんだ。
ただ。言えなかった。
彼は歳の差を越えて私をとても必要としていた。
私は本意である事は見抜いていた。
例えば人生の瞬発力を使い果たしたとしても
若さだけでは補え切れない衝動と共に。
初めはやはり、家族の皆も戸惑いを隠せなかった。
人は愛だけでも、お金だけでも添ぐり通する事など出来ないのだ。
今となっては「MONSTTER」と共に。
でも、私はもう辞める事など出来なかった。
すでに私も彼の事を必要としていたのだから。
ありきたりな感情だったのかも知れない。
でもやはり私には記憶の底にある何かが引っ掛かっていたのは事実である。
あの夏に戻る日が来るのだと。
また来るのだと。
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